各社スマホの動画表示サイズ調査〜あのスマホのYoutubeサイズは？〜

私が昨年購入したXiaomi Mi 11 Lite 5GでYoutubeの映像を表示したところです。

ベゼルレスの6.55インチディスプレイですが、画面のアスペクト比（縦横比）が20:9のため、16:9であるYoutube動画を再生した場合、左右のスペースが余ります。

では実際にどれくらいの大きさでYoutubeの動画が表示されているのでしょうか？
ディスプレイサイズの規格は対角線の長さなので、実際に物差しで測ってみたところ、約138.5mmでした。
1インチ＝25.4ミリなので、138.5÷25.4=5.45インチということになります。

しかし物差しによる実測では誤差が大きく正確に対角線の長さを測ることは困難です。
また、購入を検討している場合など実機が手元に無い場合は計測することができません。

そこで16:9のサイズを計算する方法を考えました。
画面サイズ、縦ドット、横ドットの数値の3つのデータを使用し、三平方の定理により計算します。
詳しい計算方法は下記記事にて公開しています。

ズルトラ難民を救いたい

計算式のエクセルファイルは下記からダウンロードできます。
HD動画サイズ計算フォームダウンロード

この方法でXiaomi Mi 11 Lite 5G（6.55インチ）の16:9動画の表示サイズを計算したところ5.48インチでした。

以下に、現行機種を中心に各メーカーのスマホの「16:9サイズ」を計算してみました。

iPhone

	縦ドット	横ドット	画面 サイズ	アスペクト 比（:9）	16:9 サイズ
iPhone13	2532	1170	6.1	19.5	5.22
iPhone13 mini	2340	1080	5.4	19.5	4.62
iPhone13 Pro	2532	1170	6.1	19.5	5.22
iPhone13 Pro Max	2778	1284	6.7	19.5	5.73
iPhone12	2532	1170	6.1	19.5	5.22
iPhone12 mini	2340	1080	5.4	19.5	4.62
iPhone12 Pro	2532	1170	6.1	19.5	5.22
iPhone12 Pro Max	2778	1284	6.7	19.5	5.73
iPhone11	1792	828	6.1	19.5	5.22
iPhone11 Pro	2436	1125	5.8	19.5	4.96
iPhone11 Pro Max	2688	1242	6.5	19.5	5.56
iPhoneX	2436	1125	5.85	19.5	5.00
iPhoneXR	1792	828	6.1	19.5	5.22
iPhoneXS	2436	1125	5.85	19.5	5.00
iPhoneX Max	2688	1242	6.5	19.5	5.56

iPhoneシリーズでYoutube動画を最も大きく表示できるのはPro Maxシリーズの5.73インチでした。
カタログ表示は6.7インチですが、Youtubeの表示サイズはiPhone8 plusの5.5インチと近いサイズとなりました。

一方、iPhone miniの16:9動画サイズの4.62インチは小さすぎます。
iPhone8（4.7インチ）からiPhone13 mini（5.4インチ）に買い替えてもYoutubeが大きく閲覧できるわけではありません。逆にわずかながら（4.7インチ→4.62インチ）小さくなっているのです。

Galaxy

	縦ドット	横ドット	画面サイズ	アスペクト比 （:9）	16:9サイズ
Galaxy S21 5G	2400	1080	6.2	20.0	5.19
Galaxy S21 Ultra 5G	3200	1440	6.8	20.0	5.69
Galaxy S20 5G	3200	1440	6.2	20.0	5.19
Galaxy Note20 Ultra 5G	3088	1440	6.9	19.3	5.95
Galaxy Note10+	3040	1440	6.8	19.0	5.94
Galaxy S20 Ultra 5G	3200	1440	6.9	20.0	5.78
Galaxy S9+	2960	1440	6.2	18.5	5.53

現在発売中のスマホの中では最も大きくYoutube動画を表示することができます。

ちなみに2020年発売のS20 Ultra 5Gと比べ、2021年発売のS21 Ultra 5Gのスペックがダウンしていることに驚きを禁じ得ません。

Xiaomi

	縦ドット	横ドット	画面サイズ	アスペクト比 （:9）	16:9サイズ
Mi 11 Lite 5G	2400	1080	6.55	20.0	5.48
Xiaomi 11T	2400	1080	6.67	20.0	5.58
Xiaomi 11T Pro	2400	1080	6.67	20.0	5.58
Redmi 9T	2340	1080	6.53	19.5	5.58
Redmi Note 10 Pro	2400	1080	6.67	20.0	5.58
Redmi Note 9S	2400	1080	6.67	20.0	5.58
Redmi Note 10 JE	2400	1080	6.5	20.0	5.44

私がスマホの縦長化問題を考えるきっかけになったのが昨年7月に購入したMi 11 Lite 5Gでした。
縦長は気に入りませんが、カメラの性能（画角の広さと手ぶれ補正）は素晴らしいです。

OPPO

	縦ドット	横ドット	画面サイズ	アスペクト比 （:9）	16:9サイズ
OPPO Reno5 A	2400	1080	6.5	20.0	5.44
OPPO A73	2400	1080	6.44	20.0	5.39
OPPO A54 5G	2400	1080	6.5	20.0	5.44
OPPO Reno3 A	2400	1080	6.44	20.0	5.39
OPPO A55s 5G	2400	1080	6.5	20.0	5.44
OPPO Find X3 Pro	3216	1440	6.7	20.1	5.58

ほとんど20:9です。

ZenFone

	縦ドット	横ドット	画面サイズ	アスペクト比 （:9）	16:9サイズ
Zenfone 8 Flip	2400	1080	6.67	20.0	5.58
Zenfone 8	2400	1080	5.9	20.0	4.94
Zenfone 8 Flip	2400	1080	6.67	20.0	5.58
ZenFone 7	2400	1080	6.67	20.0	5.58

全て20:9です。

Pixel

	縦ドット	横ドット	画面サイズ	アスペクト比 （:9）	16:9サイズ
Google Pixel 6	2400	1080	6.4	20.0	5.36
Google Pixel 5a (5G)	2400	1080	6.34	20.0	5.31
Google Pixel 6 Pro	3120	1440	6.7	19.5	5.73
Google Pixel 5	2340	1080	6	19.5	5.13
Google Pixel 4a	2340	1080	5.81	19.5	4.97
Google Pixel 4a (5G)	2340	1080	6.2	19.5	5.30
Google Pixel 4	2280	1080	5.7	19.0	4.98

細長化が進んでいますが、同じグループ内にYoutubeを持つGoogleは16:9のディスプレイを作るべきでは無いのでしょうか？

AQUOS

	縦ドット	横ドット	画面サイズ	アスペクト比 （:9）	16:9サイズ
AQUOS sense6	2432	1080	6.1	20.3	5.05
AQUOS sense5G	2280	1180	5.8	17.4	5.44
AQUOS R6	2730	1260	6.6	19.5	5.64
AQUOS zero6	2340	1080	6.4	19.5	5.47
AQUOS sense4 plus	2400	1080	6.7	20.0	5.61
AQUOS R5G	3168	1440	6.5	19.8	5.49

上記の機種中に20.3:9、20:9、19.8:9、19.5:9、17.3:9と実に5種類のアスペクト比が混在しています。
シャープは迷っているのでしょうか？

Xperia

	縦ドット	横ドット	画面サイズ	アスペクト比 （:9）	16:9サイズ
Xperia 5 III	2520	1080	6.1	21.0	4.90
Xperia 5 II	2520	1080	6.1	21.0	4.90
Xperia 10 III	2520	1080	6	21.0	4.82
Xperia 1 III	3840	1644	6.5	21.0	5.22
Xperia 1	3840	1644	6.5	21.0	5.22
Xperia PRO-I	3840	1644	6.5	21.0	5.22
Xperia 1 II	3840	1644	6.5	21.0	5.22

上記全て21:9です。
Youtubeを大きく表示したい方はXperiaを購入しない方が良いでしょう。
老眼の方も・・・

21:9のメリットをググってみたところ、以下の3つのようです。

1. 持ちやすい
2. 縦方向の情報量が多くなる
3. 細長い方がスタイリッシュ

1.と2.については賛同はしないまでもわからなくもありません。
しかし、機能美という観点からは細長い方がスタイリッシュというのは間違っていると思います。

ベスト10

発売中の製品とZ Ultraの16:9動画表示サイズを比べてみました。

	縦ドット	横ドット	画面サイズ	アスペクト比 （:9）	16:9サイズ
Xperia Z Ultra	1920	1080	6.4	16.0	6.40
Galaxy Note20 Ultra 5G	3088	1440	6.9	19.3	5.95
Galaxy Note10+	3040	1440	6.8	19.0	5.94
Galaxy S20 Ultra 5G	3200	1440	6.9	20.0	5.78
iPhone13 Pro Max	2778	1284	6.7	19.5	5.73
iPhone12Pro Max	2778	1284	6.7	19.5	5.73
Google Pixel 6 Pro	3120	1440	6.7	19.5	5.73
Galaxy S21 Ultra 5G	3200	1440	6.8	20.0	5.69
AQUOS R6	2730	1260	6.6	19.5	5.64
AQUOS sense4 plus	2400	1080	6.7	20.0	5.61

Xperia Z Ultraがダントツです。
グラフにしてみるとさらによくわかります。

2つ折り画面は主流になるのか？

2つ折り画面のスマホもぼちぼち現れてきました。
Surface Duo2もそのひとつです。

画面を開くと8.3インチとなり、これはiPad miniと同じサイズです。
16:9の画面を表示した場合、縦長スマホとは逆に上下に余りが出るためYoutubeを表示した場合の大きさは7.79インチになります。（前述したエクセルの計算式は使えません）

しかし折りたたみ携帯にはいくつかの問題があります。

1. コストの問題
   折りたたみにするために加わる製作コストがあります。
   Surface Duo2の価格は18万円以上です。
2. 本体の厚み
   2つ折りにした場合、1枚物よりも当然厚くなります。
   ガラケーの末期にはほとんどが2つ折りになっていましたが、ガラケーよりひとまわり大きいスマホの場合にもそれは可能でしょうか。
   また、片手で開けにくいのでは無いかと危惧しています。
3. カメラユニットの出っ張り
   カメラの画質が上がりイメージセンサーが大きくなっているため、最近のスマホはわずかながら飛び出しているものが多いです。
   2つ折りスマホを薄くすることができた場合、カメラユニットの厚みをどのように処理するのでしょうか？

いずれの問題も時間と技術が解決してくれるのかもしれませんが、その苦労をする前に16:9で6.5インチ程度のものを作ってみてはどうかと思います。