はんだごてを使ったプラダンの”新”接着方法を考案
プラダン(プラスチック段ボール)という素材を知り、これまでには難しかった、好きな大きさの箱を作るということが簡単にできるようになりました。
プラダンを使った工作には接着の作業が欠かせません。
試行錯誤の上、プラダンならではのランニングコストの低い接着方法を考えましたので紹介させていただきます。
これまでに検討したプラダンの接着方法
プラダンを接着する方法として、さまざまな方法を検討、あるいは実際に試してみました。
- 接着剤
ポリプロピレン用の接着剤が多数売られていますが、やり直しが難しそうに思えたので、採用を見送りました。 - テープ(両面テープ)
経年変化があると思われるため、採用を見送りました。 - ホッチキス
一番最初に試してみた方法です。
作業が簡単でコストが安いのですが、接着に失敗する確率が高い、接着力が弱い、ホッチキスが届かない場所があるなどの短所があります。 - タッカー
ホッチキスに似た構造の道具です。
ダイソーの300円のものを買ってみましたが、プラダン同士を接着するという用途に合いませんでした。
壁にプラダンを打ちつける用途であれば良いと思います。 - ハトメパンチ
きれいに接着することができますが、構造上奥まで届きません。
ハトメパンチを分解する方法が紹介されていましたが、めんどくさそうなので見送りました。 - リベット
金槌で叩く工程があるため、近所迷惑になると思い採用を見送りました。 - 結束バンド
試してみたところ、思いのほか強力に接着し、仕上がりもきれいです。
やり直しも簡単で、コストも気になりません(110円/170本)。
唯一の欠点は結束バンドが出っ張ってしまうことでしょうか。 - プラスチック留め具
1個あたりの単価(約15円)が高すぎます。
“はんだごて”でプラダンを溶かして溶接
なかなか決め手になる方法が無く悩んでいましたが、あるとき熱加工という言葉にヒントを得て、接着方法を思いつきました。
着想を確かめるため、ドライバーの先端をガス台の火で30秒ほど炙ってプラダンに刺したところ、一瞬で溶けて簡単に穴が開きました。
2枚重ねて刺した場合、穴は簡単に開くものの接着力は弱いです。
ドライバーをグリグリと回し穴を広げてみたところ、溶けた材料が穴の周辺に広がっているようです。
固まるまで待ち2枚の板を離してみようとしましたが、なかなか強力に接着されています。
溶けた材料が固まったことにより、溶接をしたと同じ効果が現れたと思われます。
溶けた材料が固まるまでは20〜30秒位かかります。
試しにドライヤーで冷風をあててみたところ、固まる時間は10秒ほどに短縮されました。
※ただし、溶けている時に持っている手を動かしてしまうと接着力が弱ってしまうことがあります。
穴を1箇所開けるたびに30秒間ガス火で熱するのは面倒なので、ダイソーではんだごてを買ってきました。
税込550円です。
単純な構造の割には高いと思いましたが、ランニングコストが他のどの方法よりも安いのでよしとします。
消費電力30Wなので、1時間連続で使ったとしても電気料金は1円以下です。
(30W÷1000W×単価26円=0.78円)
新接着方法で箱を作ってみる
テスト用に小さな箱を作り、はんだごてで接着してみました。
プラダンが溶ける際に煙が出るので、なるべく吸い込まないようにします。
とても簡単にできました。
穴が分かりやすいように小さめの箱(100mm×60mm×50mm)で試作したため、製作精度の荒さが目立ってしまっている点を割り引いて見ていただければと思います。
穴の直径は7mmくらいです。
接着したところは引っ張っても簡単には剥がれませんが、やり直す場合にはカッターの刃を入れれば簡単に剥がすことができます。
穴が開いても問題が無い場合には良い接着方法だと思います。
動画もつくりましたので、是非ご覧ください。
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