フリマ用箱カスタムの正攻法 〜Inkscapeで設計〜

なぜ箱を作るのか

1.送料を抑える

メルカリやヤフオクなどで商品を販売すると、適切な梱包に苦労することがよくあります。
商品よりも縦・横・高さのどれか一辺でも小さい箱には入れることができないため、大きめの箱に入れることになりがちです。
しかし、配送会社の送料は荷物の大きさに応じて価格が上がるため、大きな箱に入れることで送料が高くなってしまいます。

らくらくメルカリ便ゆうゆうメルカリ便お手軽配送(ヤフオク)
60サイズ750円770円700円
80サイズ850円870円800円
100サイズ1,050円1,070円1,000円
120サイズ1,200円1,100円
140サイズ1,450円1,300円
160サイズ1,700円1,600円
180サイズ2,000円
200サイズ2,400円

2.緩衝材の量を抑える

箱が大きすぎると、より多くの緩衝材が必要になります。
新聞を取っていない場合は、緩衝材の定番である新聞紙が使えず、別の素材を使う必要があります。
プチプチ(エアキャップ)を使うと費用がかかる傾向があります。
また、多すぎる緩衝材は受け取った側が処分に困ります。
そのため、ちょうど良い大きさの箱を使うことが望ましのです。

3.収納できる箱が存在しない

一般的に、運送会社やホームセンターで販売されている段ボール箱のサイズは、最大でも140サイズ程度のものになります。
具体的に言うと、例えば縦60cm×横40cm×高さ40cmです。

しかし、収納したい品物が大きすぎて、適切な箱がない場合や、あっても高価すぎる場合があります。
自転車本体やホイールを収納できる箱は、通販で数千円で販売されています。

箱の材料は段ボール箱

適切な箱が無い場合や、あっても高い場合は自分で箱を作ることになります。
箱を作る材料は既存の段ボールです。
私の場合、段ボールはドラッグストアやスーパーでもらっていますが、野菜の箱に土が臭いがついていたり湿気で変形していることがあります。またティッシュペーパーの段ボールのように大きさのわりに薄すぎて強度が低いものもあります。

大物を作ったり高額なものを入れる場合はホームセンターや運送会社で購入することもあります。

ちなみに、ヤマト運輸では箱を無料で配送してくれるサービスがあります。

Inkscapeで箱を設計

Inkscapeは無料の作図ソフト

作図には、ドロー系のソフトウェアが必要不可欠です。
Adobe社の製品であれば、PhotoshopではなくIllustratorということになります。
ドロー系のソフトはデータをドット(点)ではなくベクトル(数式)で扱うのため、図形の拡大縮小を繰り返しても線がぼやけることがありません。

Inkscapeはllustratorに近い機能を持つ無料ソフトです。

下記は箱の設計図をヤマト運輸の箱の展開図に重ねたものです。

外側は膨らみ、内側は狭くなることを理解する

箱には厚みがあるため外周は設計時の寸法より大きくなり、内側は小さくなります。
私が縦17センチ横74センチ高さ67センチの寸法で箱を作った場合、組み立てた箱の外周は縦17.0センチ、横74.2センチ、高さ68.0センチになりました。
上限サイズ内に抑えるためには、縦横とも1センチずつ小さく設計する必要があります。

内側は逆に5ミリ程度狭くなるので、品物ピッタリのサイズで設計してしまうと、商品が箱に入らなくなってしまいます。
送付物の実測サイズより縦・横・高さとも1センチ程度大きく設計しておきます。

Inkscape操作の手順

四角形しか描かないので覚える機能は少なく、慣れれば数分で出来上がります。
作業工程は以下のとおりです。

1.矩形ツールを選択(左フレーム四角のアイコン)

2.右画面で「フィル/ストローク」→「フィル」、塗りなし「×」のアイコンを選択

3.画面上部の「幅」と「高さ」をcm単位で入力

4.以後は箱をコピーし、数値を変えてくっつけていく

5.数値を入力(左フレーム「A」のアイコン)

これだけでとりあえずの設計図を書くことができます。

Inkscapeで設計しているところの動画を作成しました。

箱組み立ての工程

1.材料段ボールに線を引く

段ボールののりでつけられたところをはがし、段ボールの裏側に設計図どおりの線を書き写します。
このとき最低でも60cmくらいの定規が必要です。
大きな箱を作る場合は大きな定規があると格段に作業性が良くなります。
大きな定規は高価なので私の場合はMDF材とホームセンターの紙メジャーを使って大きな定規長さ90cmのT定規を作っています。

2.カッターで切る

線状に切っただけだと内側に折り込んだ時に当たってしまうので、1cmほどの幅を持って切ります。
切断部分の幅は、元々ある切断部分と同じ幅にします。

この作業でテーブルや床を傷つけないため、保護用の折りたたみたを作りました。
これがあれば思う存分作業できます。

3.折る

箱の内側になる面に、薄くて平たいものを当てて窪みをつけてから折ります。
あまり鋭利なものだと箱が破れてしまいます。
パンを作るときなどに使用する、カード(スケッパー)などでもいいと思います。

4.ガムテープで貼る

恒久的なものを作るわけではないので、ボンドではなくガムテープで充分でしょう。
外側だけでなく内側にも貼って強度をつけます。
内側に貼る作業はやりにくいですが、私の場合はガムテープを辺の半分の長さに切り、上下に分けて貼っています。

自転車のホイールを入れる大きな箱を作ってみました。

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