素人がメンズセルフカットを3年やってみて
コロナ禍の2020年6月に、初めてバリカンを使って自分で髪を切りました。
そうせざるを得ませんでした。
その後、一度も美容室や床屋に行かず、自己流のセルフカットを続けてきました。
ほぼ月に一度、自分で髪を切っているうちに、少しずつ技術が向上してきました。
3年間自己流のカットを続けたことで、問題点と解決策が確立しました。
その経験をまとめたいと思います。
ちなにみ前回の記事はこちらです。
以下、セルフカットによくある問題点について、私が考えた解決策とセルフカットの手順を紹介したいと思います。
問題点1:グラデーションがつけられない
グラデーションとは、髪の短いところから徐々に長くなっていくスタイルです。
素人がセルフカットする場合、グラデーションをつけることは非常に難度が高いと思われます。
私は、多くのブログや動画を参考にしたのですが、グラデーションをつける方法はなかなか見つけられませんでした。
たまに見つけても、難しくて自分にはできないと思いました。
しかし、ツーブロックによるセルフカットの手法が比較的多く見られることに気づきました。
これまで自分には縁がないエキセントリックな髪型と思っていたツーブロックにも、ソフトツーブロックというものがあることが分かりました。
ツーブロックの場合、グラデーションをつける必要がないため、そのメリットがあります。
私は普通の刈り上げを諦め、ツーブロックを採用することにしました。
問題点2:ヘアクリップがうまく使えない
ヘアクリップは、細長い洗濯バサミのような道具で、髪の毛を任意の位置で留めて、髪を切る範囲を限定するために使用されます。
参考にした動画では、自分自身で後頭部の髪を留めることがプロにとっても難しいことであることが分かりました。
数ヶ所に分けてゴムで留める方法もありましたが、余計に難しく見えます。
しかし、多くの動画を見ていくと、ヘアバンドを使用して髪を留める方法が見つかりました。
ヘアバンドを使えば、自分でも簡単にできそうです。
問題点3:後頭部が見えない
サイド部分は、鏡でなんとか見ることができますが、後頭部は合わせ鏡を使っても十分に確認することができません。
また、鏡の大きさにも限界があるため、最適な場所に固定することが難しいと思われます。
この問題については、当初よりテレビ電話や会議アプリを利用すべきとの考えがありました。
Zoomを使用してみたところ、1秒ほどのタイムラグはありますが、使用できることが確認されました。
写真のようなクリップと雲台があれば、カメラ側のスマホを置いたり手すりに設置することができます。
スマホのホルダーは100均のものを利用しました。
セルフカットの工程
1. 必要な道具を準備
- ヘアバンド
幅2〜3センチくらいがいいと思います。
細すぎると留めた髪が下に垂れ下がってしまい、幅広すぎるとヘアバンドの下のスペースが狭くなってしまいます。 - すきバサミ
ずっと100均のものを使っています。
髪が引っかかることがあるので、本当はもっと切れ味の良いものが欲しいです。 - バリカン
売られているものはほとんどコードレスですが、私は有線のものを使っています。
バリカンがコードレスである必要は特に感じませんが、浴室で作業する場合は延長コードが必要になると思います。 - 尖ったもの
へバンドに巻き込まれている髪の毛を引き出すために使用します。
私の場合はくしの取っ手の部分を使っています。
鉛筆とか箸でもいいと思います。 - スマホとタブレット(あるいはスマホ2台)とカメラ固定装置
後頭部撮影用とモニター用の2台必要です。
Wifiかテザリングが使えれば有効なsimカードが無い旧スマホでもOKです。
アプリはZoomを使用します。
バリカンは有線のものがコードレスと比べて価格が安いです。
浴室で作業を行う場合は、コンセントがないため延長コードが必要になるでしょう。
すきバサミは最初100均のものを使っていましたが、後日上記リンクのものに買い替えました。
100均のものと比べて切った時の感触がスムーズに感じます。
髪の毛に対するダメージが少ないのではないかと思われます。
2. 場所は浴室で
通常は下記のようなもの(ヘアエプロンあるいはカットクロスなどと言います)を使って部屋で行う方が多いのではないかと思います。
浴室で行う場合は、浴室の床に髪の毛を落とし、最後にシャワーで流せば排水溝の網に捕まるため、掃除の必要がありません。
カットが終わったら、そのままシャワーを浴びれば、体についた髪の毛も流せます。
ただし、地域によっては寒い時期には厳しいかもしれませんが。
4. カメラとタブレットをセット
表示側のタブレット(あるいはスマホ)は立てかけるだけで問題ありません。
立てかけられない場合は、ダンボールでスタンドを作ることができます。
Zoomを利用する場合、ハウリング(音の干渉)が起こってしまいますが、その場合はどちらかあるいは両方のスピーカー音量を絞れば解決されます。
5. ヘアバンドで上部の髪を留める
前述のとおり扱いが難しいヘアクリップではなく、ヘアバンドで髪の毛を上下にブロック分けします。
ヘアバンドを一度首まで下げてから髪全体を持ち上げて、はち巻きをする位置の少し上で留めます。
先の尖ったもので、ヘアバンドより下から巻き上げられている髪の毛を下ろします。
その際、髪の毛を引き出しすぎないことに注意します。
6. バリカンで後頭部と両サイドの毛を刈りあげる
ヘアバンドの下までが刈り上げてもいい範囲です。
バリカンの長さ設定は11mmとしています。
それ以上短く刈り上げると、上のブロックと馴染まなくなります。
下からすくい上げるようにバリカンを動かします。
バリカンを1度通過させただけでは刈り残しがあるので、同じところを何度か通過させます。
両サイドも後頭部と同様にヘアバンドの下までを刈り上げます。
耳が邪魔になるので、空いている手で耳をたたみながら行います。
7. すきバサミで全体のボリュームを減らす
手ですいてみて長いなと思ったところをすきバサミでカットします。
使用するのはすきバサミだけです。
くしで髪の毛を持ち上げ毛先を切るというプロが行う方法は初心者には無理です。
手くしですいて指から出た部分をハサミで切るとするブログや動画もありますが、私はそれで2度手を切ってしまいました。
具体的なすきバサミの入れ方としては、髪の毛の根本に近い部分は切らず、髪の毛の中心よりも遠いところをすきます。
その際以下の点に注意します。
- つかんだ毛束を何回もすかない(位置を変えて2回まで)
- 根元からハサミを入れない(髪の長さの中間くらいより先に)
- 頭部の左右の角の近くはすかない(シルエットが角張ってしまう)
- 完璧を求めてやりすぎない(特に前髪切りすぎに注意)
きちんとやろうとすれば難しい作業ですが、結構いい加減でも問題ありません。
下のブロックの一番下(えり足)の長さが揃っているため、大きな失敗は発生しにくいです。
8. 後頭部の髪をすく
刈り上げたブロックの上に長めの髪の毛が乗っている状態になっています。
画面で見て違和感が少ない状態にすいていきます。
すきバサミの使い方は全体のボリュームを減らした際と同様で、根本に近い部分はすかないようにします。
9. 前髪を切る
前髪を4つから5つのパートに分け、ひとつのパートにつき2回だけすきバサミを入れます。
すきバサミを入れる位置は、目測で根本から60%と80%ほどのところです。
10. 完成の判断は妥協を
ある程度のところで妥協する気持ちが必要です。
細部にこだわりすぎると、どうしても切り過ぎてしまうことになりがちです。
多少不完全と思っても、深追いしない寛容さが大切です。
これからは、明日でもあさってでもいつでも、わざわざ床屋や美容室に行くことなく、自分でカットすることができるのです。
セルフカットを1年やってみて
初めてセルフカットをしてから1年が経過しました。
それ以降、床屋/美容室には全く行っていません。
昨年11月には息子の結婚式があり久々に美容室に行こうか迷いましたが、結局セルフカットした髪で参列しました。
美容師の作業と素人の技術を比べると、専門店のラーメンとカップヌードルくらい違うと思いますが、セルフカットには以下の利点があります。
- 金がかからない
- 時間が無駄にならない
- コロナに感染するリスクが無い
- 自分の思い通りのボリュームにできる
- 長さが気になったらすぐ切れる
といったところでしょうか。
動画を作ってみました。
動画ならではのわかりやすさがあると思いますのでぜひご覧ください。