縦長スマホ全盛に物申す 〜ベゼルレス16:9のスマホが欲しい〜
長くて大きい今時のスマホ
4年ぶりに新しいスマホを購入しました。
4年間でスマホの勢力図は大きく変わりました。
かつては上下のベゼルが1センチほどある機種がほとんどでしたが、現在は上下のベゼルがほとんど無いデザインになっています。
ベゼルが無くなったスペースには画面が広がりました。
下記は私が所有する新旧のスマホを比較したものです。

動画表示の能力は大差無し
最も閲覧頻度が多いと思われるアスペクト比16:9の動画表示の仕方は、新旧のスマホで下記の違いがあります。

これまでの5インチと比べて横にした場合の画面幅は4cm以上長くなっていますが、高さは6ミリほどしか変わっていません。
縦のサイズがボトルネックになるため、実質的には5インチから5.48インチになったに過ぎません。(注:画面サイズとは対角線の長さのことを指します。)
左右のスペースが無駄になってしまっています。
無理に6.55インチに全画面表示にすると斜線部分がディスプレイからはみ出してしまうため、斜線部分にテロップなどがあった場合は表示されません。
縦長スマホは映画鑑賞以外に出番無し
画面が細長いスマホはどのような時に役に立つのでしょうか。
各種映像の縦横比を並べてみました。

映画以外では常に画面の長さを持て余してしまっていることがわかります。
※ゲームの中には横長画面が有利なケースもあるようですが、私が全くゲームをやらないためここでは割愛しました。
iPhoneXがベゼルレス縦長画面の根源
iPhoneX前までのスマホでは上下のベゼルの存在は技術的にやむを得ないものでした。
ベゼルレスのiPhoneXを初めて見た時、「やけに画面が長いなあ」と思ったのは私だけでは無かったでしょう。
iPhoneXの開発時にはベゼルを無くするにあたり、2つの方向性があったはずです。

現在の機体のシルエットを変えず画面を上下に伸ばしたA案と、縦横比を16:9のまま画面を広げたB案です。
iPhoneがA案を選択したことによりその後のスマホ全体の傾向が方向づけられたと思います。
なぜA案が採用されB案は葬り去られてしまったのでしょうか。
無駄に長い画面には機能美無し
Apple社はiPhoneX開発時に縦長のスマホが美しいと判断したのでしょうか?
機能美を重んじるApple社の判断としては、大いに疑問があります。
きのう‐び【機能美】
コトバンクより引用
建築・工業製品などで、余分な装飾を排してむだのない形態・構造を追求した結果、自然にあらわれる美しさ。
画面を大型化する上で最も重要なのは最も普及している16:9の動画を大きく表示することであるはずです。
無駄に長い画面には機能美を感じられません。
もしスティーブ・ジョブス氏が生きていたら16:9よりも細長い画面を許していたでしょうか?
画面を縦長にする本当の理由
縦長画面が選択されたことにはコスト面での理由があったと推測します。
どういうことなのか例をあげて説明します。
細長い画面と正方形に近い2つの画面AとBがあったとします。
図面の小さいマスを1インチ角(1画素)とすると、下図のAとBは同じ画面の面積(=同じ画素数)ということになります。

ところがカタログに表示された場合の2つの画面の大きさは同じではありません。
画面の大きさは面積ではなく対角線の長さで決まることになっているからです。
AとBの画面は同じ面積(=同じ画素)ですが、対角線が長いAの方が大きい画面ということになります。
つまり細長い画面を作った方が画面サイズのカタログ値を大きくできるということになるのです。
実際の例に当てはめてみます。
以下は画面密度を同じにした場合、縦横画素数に対して画面インチ表示がどうなるかを図解したものです。

左のスマホはよくある縦長(20:9)のスマホです。
「不要部分」を削って16:9にしたのが真ん中のスマホです。
これで充分というユーザーは多いはずです。
カタログ表示の画面サイズは5.48インチに下がってしまいますが、16:9の動画は左のスマホと同じ大きさで見ることができます。
20:9と同じ画素数で16:9にして縦横とも広げたのが右のスマホです。
左のスマホと同じ259万画素にも関わらず、画面のインチ表示が小さくなってしまいます。
それにもかかわらず画面が小さいはずの右のスマホの方が16:9の動画を大きく表示することができるのです。
表にしてみました。
2400×1080 | 1920×1080 | 2145×1207 | |
---|---|---|---|
縦横比 | 20.9 | 16:9 | 16:9 |
画素数 | 259万 | 207万 | 259万 |
インチ表示 | 6.55 | 5.48 | 6.12 |
16:9表示能力 | 5.48 | 5.48 | 6.12 |
あくまで同じ画面密度で比べるため、現実には無いと思われる2145×1207というパネルになりましたが、同じ画面面積(画素数)でも細長く作った方がカタログ上のインチ数(スペック)を稼げるということはわかると思います。
逆の言い方をすると同じ画面のインチ数の場合、細長く作った方が画素数が少なく、つまり安いコストで作れるということになります。
コストに対してカタログ値が下がってしまうことを、Apple社の営業サイドが許さなかったのでしょうか。
動画表示に関する新たな規格が必要
画面の大きさを表す規格は対角線をインチ表示したものであり、画面が細長いほど数字が大きくなることは前述した通りです。
しかし16:9の動画が多数を占める現在、対角線の長さはユーザーが必要とする数値ではなくなっています。
大きな画面になったと思い新しいスマホを購入したが、Youtubeの動画があまり大きく表示できずがっかりしている方は多いのではないでしょうか。
どれほど画面が長くなってもスマホを横にした場合の高さを越えて動画を大きく表示することはできません。
下図の場合、画面の大きさは6.44インチですが、16:9の動画を表示できる大きさは5.48インチとなります。

この場合の5.48という数字を「HD表示サイズ」としてはどうでしょうか?
計算方法は以下の通りです。
①2400×1080の場合、16:9の大きさが当てはまる最大の大きさは1920×1080になります。
1080÷9×16=1920
②次に2つの対角線の長さを求めます。(Xは実画面の大きさ、Yは16:9の動画を表示できる大きさ)
X2=24002+10802
Y2=19202+10802
X=2632、Y=2203
③カタログの画面サイズに縮小率をかけて「HD表示サイズ」を算出します。
6.55÷2632×2203=5.48
以上の計算をエクセル上で行う計算フォームを作成しました。
「ディスプレイサイズ」「縦ドット」「横ドット」を入力すれば「HD動画サイズ」の値を計算します。
ベゼル無しアスペクト比16:9のスマホを作ってください
6.55インチアスペクト比20:9のXiaomi Mi 11 Lite 5Gを画像処理で縦方向のみ削ってみました。
画面解像度は1920×1080、アスペクト比は16:9です。

これまでになかった幅75.73mm、高さ130mm、ベゼルレスというスマホですが、使いやすそうなサイズ感だと思いませんか?
画面サイズのスペックが5.48インチという数字になってしまいますが、Youtubeの動画を表示させる性能は6.55インチと同じなのです。
同じ16:9で画面スペックを6インチにするには筐体の大きさを幅83mm、高さ142mmほどにする必要があります。
ちょっと幅が広すぎる感じはしますが、それでも選択肢を広げる意味であってもいいと思います。
全てのスマホを16:9にして欲しいわけではありません。用途により18:9〜21:9のスマホを必要としている方もいると思います。
しかしiPhoneX以来、ベゼルレスのスマホ画面が全て縦長になっている現状は容認できません。
少なくとも最大多数は16:9画面であるべきだと思っています。
どこかのメーカーで作っていただけないでしょうか。
縦長にするにしても18:9か大目に見ても19:9だと思います。21:9や22:9ってテレビのリモコンみたいで逆にカッコ悪いし使いづらいのと大画面のメリットが殆どありません。私はGalaxyを使っていますが、縦長のS20や21或いはA51と言ったフラッグシップモデルよりもA30・A32の方が横幅が77mmとワイドで小型タブレットのような感覚でよっぽと使いやすいと思います。他にもエントリーモデルでA21も有りますが、アスペクト比が18:9の為、ヤフーニュースは結構見易いです。因みに縦長になればなるほどフォントサイズの標準サイズが小さめになるみたいです。
今のXperiaが縦長ディスプレイの為か、老眼が出てきた人たちにはかなり不満らしいです。
しんぺいさん初めまして。コメントありがとうございます。
縦長すぎると格好悪く大画面のメリットも殆ど無いという意見に賛成です。
しかしXperiaがそこそこ売れているのに対して16:9のスマホが絶滅危惧種となっている現状を見た場合、我々の意見は少数派であるようです…
大多数に縦長ディスプレイが支持されているのは残念なことです。
見づらいのもそうだが、16:9より縦長にすると、片手でも両手でも指が届かなくて操作しづらいんだよな
しかもポケットに納めてもはみ出るし
あと曲がりやすい
チョウコさん初めまして、コメントありがとうございます。
必要以上の縦長画面が必要無いという同士が増えているようで嬉しいです。
ところで一昨日発表されたバルミューダのスマホは16:9ですね。
色々あってバルミューダのスマホは買いませんが、今後16:9のスマホが増えてくれればと思います。
いまの主流の6.5インチの縦長スマホってどうせ片手操作できないし、それやったら両手前提でポケットに入る最大限のサイズで最高の比率って16:9の7インチじゃねって結論に至ってモック作ってみたんですけど最高でした(笑)
あと画面サイズは対角線ではなく縦×横の面積で表したほうがいいですよね。いろんなアスペクト比があるので対角線はややこしすぎます。
たろうさん、コメントありがとうございます。
コメント重複していたので、後のほうを残しました。
私が以前使っていたNexus7が16:9の7インチでしたが、確かに快適でした。あれのベゼルが無くなれば最高だというのは同感です。
画面サイズの表示は難しいですね。面積で表示すると今度は正方形のディスプレイを作って面積を稼いでくるメーカーが現れるかもしれません…
たろうさんが作った7インチのモックもぜひ見てみたいですね。
はじめまして。
Xperiaに機種変したいのに、最近の縦長スマホには困っています。
なぜなら、フリック入力が苦手で、5.2インチW72mmで狭く感じながらもキーボード打ち。
老眼も進み、いっそのこと、iPad mini に通話機能があれば、、、と思っている今日この頃です。
ほんと縦長やめてほしい、、、
招き猫さん、コメントありがとうございます。
今までiPadは普通に通話できると思ってました(^^;)
しかしiPadで通話ができたとしても幅が広すぎて内ポケットに入らないんですよね…
バルミューダの登場をきっかけに様々な大きさの16:9ディスプレイが出てくるといいですね。
最近の細長スマホに少々うんざりしてきた一人で
元の縦横比率に戻せとは言いませんが
21:9や20:9以外の(16:9や18:9)を出してきても
いいのではないのかと常々思っております。
以前「Xperia Z ultra」を使ってました。
このスマホは179mm×92mmで6.44インチもあり
動画コンテンツをフル画面で楽しめる機種でした
端末が老化しなければまだまだ使っていたかったのですが約一年程前に画面がちらつくようになり
今では比較的大きめのLG Q Stylus(中古)を使って
しのいでます。これも「Xperia Z ultra」程ではありませんがそれでも160mm×78mmで6.2インチあります。
最近の機種は6.5インチだの6.8だのとうたってますが
実際横向きにして動画を観ると5インチから5.5インチ
程度とほとんど一緒です。6.4インチのZ ultraには
遠く及びません。全メーカーに言える事ですが
もう少し「オリジナリティ」のある機種を考えても
いいのでは?と思います。今や世界的な半導体不足や
部品も量産メーカーから譲り受けてたりとある程度
仕方ないというのもわからなくはないてすが…
Xperia Z ultraをググってみましたが、16:9での6.44インチだったのですね。
さぞかし動画が見やすかったことでしょう。
LG Q Stylusだと16:9動画が約5.65インチにしか表示されないので、だいぶ小さくなってしまいましたね…
16:9という本来当たり前のサイズが復活することを望みます。
こんにちは!確かに16:9のスマートフォンはYouTubeなどの視聴などには、最適でコンパクトになっているとことはいいと思います。一定そのようなスマートフォンがあってもいいと思いますね。そういったスマホを好まれる方のことも考えると、必然的にあってもいいのでは思います。
しかし個人的な意見で恐縮ですが、21:9縦長スマホ(Xperia)賛成派です。16:9のスマホは横に幅があり片手で持つのに苦労するのが難点です。それに比べて縦長スマホは個人的には片手で持てて、スタイリッシュだとは思っています。またandroidスマホに至っては、2画面表示する際にとてもぴったしだと思います。16:9スマホでは、2画面にしたときに使いづらいのが大変気になります。
ブラウザー閲覧に関しては、一度に表示できる情報量が多いことが挙げられます。愛用しているSonyXperiaにおいては、片手モードが搭載されているので不自由はありません。なので個人的な意見として、縦長スマホが一番いいと思います。
縦長(21:9&20:9)スマホ・16:9スマホも療養あってもいいと思います。スマホも多様な選択ができるようになるといいと思います。今や折り畳みスマホ(縦折り・横折り)も出てきていますので、自分に合ったスマホを使うことが一番いいと思います。ちなみに21:9超縦長スマホは、市場的には少数であり、20:9が一番多いと思います。そのうえで16:9(従来型)スマホ・21:9(超縦長)スマホは、劣勢だといっていいでしょう。
まさやんさんコメントありがとうございます。
まさやんさんのように縦長スマホが良いと選んで購入している方は多いと思います。というよりそちらの割合の方の方が多いのでしょう。
しかし、16:9を選びたいユーザーは取るべき選択肢が無いという絶望的な状況にあるのです。
これは絶対になんとかしなくてはと思っています。
ほとんどアクセスが無い下記関連記事もぜひご覧ください。
https://olivegarlic.net/smartphone-3/
「ズルトラ難民を救いたい」
あるよ
Surface Duo 2
https://www.microsoft.com/ja-jp/d/surface-duo-2/9408kgxp4xjl
Qualcomm® Snapdragon™ 888 5G モバイル プラットフォーム
デュアル PixelSense™ Fusion ディスプレイ (2 画面): 8.3 インチ AMOLED、2688×1892
PixelSense™ 画面 (1 画面): 5.8 インチ AMOLED 1344×1892 (13:9)
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/1378941.html
https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/column/mobile_catchup/1381179.html
Sharonさん、情報ありがとうございます。
8.3インチというとiPadminiと同じ対角線サイズですね。
2688×1892から計算してみると、2画面にYoutube(16:9)の動画を表示したときの大きさは7.79インチというということになります。
薄型化するにあたり、カメラユニットの突起をどう処理するかという問題もありますが、これからの主流は2画面になるのかもしれませんね。
価格の問題もありますので、いきなりそこまで大きくならなくても、とりあえずは6.4インチ16:9の製品が現れることを望みます。
ギャラクシーA8からOPPOreno5aに買い替えて、このアスペクト比の問題にたどり着きました!!
画面サイズだけ見て大きいと喜んで購入したら、You Tubeやアプリ等が前機種より映る画面小さくなりショック。
ギャラクシー高いけどまた機種変更したいと思う程です。
このサイトを見られて良かったです!
チャリンコさん、コメントありがとうございます。
OPPO Reno5 Aの画面サイズは6.5インチですが、Youtube(16:9)が表示できる大きさは5.44インチという計算になります。
確かにGalaxyA8の5.7インチより小さいですね…
似たような経験をしている方は何百万人、あるいは何千万人といるはずです。
画面サイズを対角線のみで表示し続けているのは確信犯的詐欺だというのは言い過ぎでしょうか?
ZenFone3Ultraの動作の限界から至急買い替えたOPPO Reno3Aでモヤるようになりました。
横画面のゲーム利用が多いのですが、上下にステータスやらボタン表示が絶対入るので実質的なメイン描写部分はだいぶ高さがないです。幅が短くなっていることは覚悟していましたが素材を探す時のスクロールも長くなりますし必要な情報の視認性が低くなりストレスに。。そのため、メイン部分を広域で見たい人はタブレットでやるかPCからエミュで比率弄ることになります。
動画サイズからの切込みにハッとしましたが、静止画などにしても、従来の紙・本・写真と比較したらほぼ2:1ってのは視認性や読みやすさとしてそんなに好まれる比率ではないと思うんです。結局設定なり加工なりして上下を実質切ってることも多いように感じますし、そんなに全画面での比率が視認効果としても支持されるならデジタルサイネージでも採用されて良いはずです。
自分、qwerty打ちなので縦長はキー幅が狭くほんとミスタッチ増えて疲れます。W ebの記事も読みにくいし、画像含めとにかくみんな小さいんです。
今でも数年前の16:9モデルHuawei MATE9 にSIM移した時「いいわぁ〜」ってなります。通話出来ないのが無念。
ああ、それと電子書籍も読みにくくなったので激減中。
こんにちは。
カタログスペックを誇示するためのこのような変化はスマホに限らずよく見られることで、我々消費者も賢くなる必要がありますね。このサイトは多くの人に気づきを与えており、同じ声が大きくなることで、変化は起きるかもしれません。
ノートPCのアスペクト比についても似たような話で、16:9ばかりでドキュメント作成等に不向きだったのが、最近は3:2等で作業性を売りにした製品が多くなってきました。今の縦長スマホ全盛期の時代だからこそ、どこかのメーカーが動画再生サイズを売りにして差別化したスマホを出し、そろそろ状況を打開してほしいものです。
ちなみに私のスマホ遍歴はHTC J Butterfly, Acend mate7, Mate10無印, Galaxy Note10+といった感じで、好みはお察しいただけるかと思います。Nexus6, P8Max, AQUOS PADなどもとても興味がありました。
今は辛いですが、先にも書いたように気づく人が増えて変化は起きていくと思います。galaxyはS22シリーズで縦長化に少し逆らっています。アスペクト比以外にも、最近のスマホは筐体に沿わない無意味な角丸ディスプレイや、所謂エッジディスプレイなどは減っていっていますし、色んな人に本当の意味で丁度よいものがスタンダードになっていくと思います。その中で特長として縦長ディスプレイの選択肢もあり、それを好む人だけがそれを選べばよいのです。
だがしかし20:9という大画面にロマンがある!!