バルミューダのスマホが画面アスペクト比16:9を実現
2021年11月16日、バルミューダのスマホBALMUDA Phoneが発表されました。
・サイズが小さい
・直線が無い
・iPhone3Gに似ている
など様々な点が話題になっています。
以前「縦長スマホ全盛に物申す 〜ベゼルレス16:9のスマホが欲しい〜」という記事を書いた私としては、新機の画面アスペクト比に注目しました。
画一的な画面になっていたスマホ
ふと立ち止まって見渡してみると、どれも同じようなデザイン、どれも同じような大きさ。違いと言えば、数値で表せる部分のみなのでしょうか。私たちは皆、個性を持っています。そして選択の自由も持っているはずです。
バルミューダのウェブサイトから引用
画面アスペクト比も画一的になっていました。
新しく発売される機種のアスペクト比は全て16:9を超えて細長いものでした。
しかし16:9より細長い画面は思わぬ結果を招きました。
iPhone 13 miniと画面サイズを比較
小型サイズのライバル機であるiPhone 13 miniと最も使用シーンが多いと思われる16:9のHD動画についてどちらが大きく表示できるか比べてみたいと思います。
それぞれのカタログ上の画面サイズは以下の通りです。
・iPhone 13 mini:5.4インチ
・BALMUDA phone:4.9インチ
ほとんどの方は「画面サイズが大きいPhone miniの方が動画を大きく表示できるに決まったいる。」と考えるのではないでしょうか?
しかし事実はそうではありません。
画面サイズの規格とは画面の対角線の長さを測ったものであり、HD動画を表示できる大きさとは無関係だったのです。
iPhone 13 miniにHDの動画を表示させた場合画面の両端が無駄となり、HD動画表示に使われるのは緑に塗った部分のみです。
それに対してBALMUDA phoneは全画面に無駄なくHD動画を表示することができます。
iPhone 13 miniのHD動画サイズを計算してみます。
三平方の定理により対角線yが対角線xよりもどれくらい小さくなっているかを計算します。
x2=23402+10802
y2=19202+10802
x=2577
y=2202
対角線の縮小割合をカタログ表示サイズ(5.4)にかけます。
5.4×(2202÷2577)=4.614….
iPhone 13 miniのHD動画サイズは4.6インチということになります。
BALMUDA phoneのアスペクト比は16:9なのでHD動画表示能力は4.9インチのままです。
4.9インチのBALMUDA phoneの画面は5.4インチのiPhoneよりもHD画面を大きく表示することができることがわかりました。
画面の大きさを対角線で表示する時代は終わり
ブラウン管テレビが発明されて以来、画面サイズは対角線の大きさにより表示されてきました。
当初のアスペクト比は4:3でしたが、液晶の時代になりソフトのアスペクト比は16:9が主流になりました。
それに伴い液晶テレビの大きさは16:9になっていますが、スマホの場合なぜか16:9よりも横長のものがほとんどになってしまいました。
この理由について前回の記事では「画面を細長くした方がカタログサイズを稼げる」ことを指摘しました。
スマホの世界では画面サイズを稼ぐために細長画面が主流となってしまいましたが、こんなことがいつまでも続いていいはずがありません。
もし画面サイズを稼ごうとした細長い液晶テレビがあったとしたらあなたはどう思いますか?
対角線で画面サイズを表示するやり方はもはや実情に合っていません。
16:9のHDサイズをどれくらいの大きさで表示できるかの数値をカタログに掲載すべきでしょう。
今回のBALMUDA phoneの出現はアスペクト比について考える良い機会だと思います。
「バルミューダ」様、どうかZultra(ズルトラ)難民をお救い下さい。
ズルトラ難民という言葉を初めて知り、ググってみて納得しました。
難民がすで5年以上放置されていることに絶望を感じます…
バルミューダがターゲットとする顧客はズルトラ難民とは正反対だと思いますが、大型ディスプレイに限っては1周回って老眼のユーザーから火がつくかもしれないですね。