競歩の新競技「Long Walk」を提案
自転車のトラック競技「エリミネーション」が面白い
オリンピックで自転車の競技「オムニアム」を初めてみましたが、とても面白いと思いました。
オムニアムを構成する4種目のひとつである「エミリネーション」という競技形態には特に興味を持ちました。
2周ごとに最後尾の選手が脱落していき最後のひとりが勝者となるルールのため、見どころが途切れずレースから目が離せません。
各選手ともなるべく力を温存したいところですが、計測地点で最下位になった時点で脱落するルールなので、スタミナ配分を間違った有力選手が早い段階でいなくなってしまうこともあります。
さまざまなレースの駆け引きを見ることも面白いです。
先頭を走ればほか選手からの影響を受けなくてすみますが、風を最大に受けてしまいます。
内側を走れば距離は短くなりますが、集団に飲み込まれ順位を上げることができなくなる危険があります。
安全策を取り外側を走れば長い距離を走ることになり、最後に1対1になった時にスパートする力が残りません。
競歩にエリミネーションの要素を付加
エリミネーションと競歩という2つの競技を結びつけたのは、スティーブン・キング氏の「ロングウォーク」(原題「The ong Walk」)という小説です。
「ロングウォーク」はキング氏がリチャードバックマン名義で書いた処女作です。
100人が規定のスピードで歩き、遅くなったものから消えていき、最後のひとりが勝者になるというストーリーです。
ひとりずつ消えていくところがエリミネーションと同じです。
競歩はその競技イメージが「The Long Walk」を彷彿とさせます。
競歩にエリミネーションの要素を組み合わせたら見る側としては面白いのではないかと思いました。
参加人数は100名
100人という人数は50キロを500メートル(0.5キロ)で割った数字ですが、もうひとつの重要な意味があります。
スティーブン・キングの「ロングウォーク」では参加人数100人で行われていたからです。
距離はロード45km+トラック4.5km
合計49.5キロという半端な距離ですが、500mごとに1人が脱落すると99人目が脱落するのが49.5キロ地点になります。
トラックで100人の同時スタートは無理なので、残り10人になるまではロードを走ることとします。
オリンピックのトラックは1周400mなので、ロープを張り500mにすることとしますが、それが困難な場合は400mのまま使用するのもありかと思います。
その場合の総距離は45キロ+4キロ=49キロとなります。
500mごとに最下位の選手が脱落
500mごとにひとり脱落します。
競歩のトップ選手のスピードは14km/hくらいなので、2〜3分で1人脱落ということになります。
ロード区間45キロ終了時点で90人が脱落し残り10人となります。
トラックでは10人が同時スタート
トラックに10人目が到着したところで待っていた9人とともに同時スタートします。
脱落する選手をはっきりさせるため、腕あるいは腰につけたランプが点灯するようにします。(エリミネーションではハンドルにつけられたライトが点灯する方式です。)
同時スタートになる理由は、競技的として面白くするためです。
先に到着した選手ほど再スタートまでの休憩が長くなるので公平性はあると思います。
また、ロードでは力を使いすぎないよう休憩時間も考慮して力の配分をする必要があります。
最後に残った1人が優勝
単純に早く歩けばいいのではなく駆け引きが必要になる点は自転車のエリミネーションと同様です。
トータルで速く歩くことができたとしても戦術を間違えばいつでも脱落する可能性があります。
特にトラックでは位置取りとペース配分の兼ね合いが重要になります。
内側を走れば距離は短くなりますが、集団に飲み込まれ下位になると順位を上げるために体力を消耗します。
安全策を取り外側を走れば長い距離を走ることになりやはり体力を消耗します。
「The Long Walk」では1人の勝利者以外順位はありませんでしたが、この新競技では100人全てに順位をつけることができます。