柔術ガチスパーからの脱却
ガチスパーはなぜいけないのか?
ガチスパーとは練習であるにもかかわらず、本気の試合モードでスパーリングをすることですが、本気でスパーリングをして何がいけないのでしょうか。
- スパーリングの回数が減る
柔術の上達度は練習時間に比例すると言われています。
力の使いすぎによりスパーリングの回数が減るということは、練習時間の減少に直結し、上達が遅れます。 - 練習日が減る
歳をとり、若い時よりも疲れが取れにくくなったことを感じています。
練習で力を使いすぎると疲れにより練習間隔を空けなければならなくなり、練習回数が減り練習時間が減少します。 - 練習相手が減る
「あいつはいつもガチだから」と言われ、スパーリングを避けられてしまう可能性があります。
私はすでに一部の方に避けられています…。
このままでは練習相手がいなくなってしまうかもしれません。 - テクニックの習得が遅くなる
テクニックを力で解決してしまっているため、技の正確性がなかなか身につきません。 - 柔術寿命が早期終了
怪我が少ない柔術ではありますが、ガチスパーを続けていた場合怪我をする可能性が高くなります。
10年持つはずの柔術生命が5年で終わってしまうかもしれません。
なぜガチスパーになるのか
ひとことで言うと「負けたくない」「勝ちたい」からに他なりません。
もちろん頭では「スパーリングは勝負ではない」ということは分かっているのですが、スパーが始まってみると闘争本能に支配されてしまうのです。
先生には何度も「Kさんはスパーで力を入れすぎです。」と注意されるのですが、頭で分かっていても体が勝手に動いてしまうのですから仕方がありません。
しかしそう言っていてはいつまでたっても問題は解決せず、柔術生命が尽きてしまいます。
とりあえずガチスパーになってしまう原因を掘り下げてみました。
1. 必死の防御(負けたく無い)
ポジションや一本を取られそうになると、全力で脱出しようとしてしまいます。
技術だけで脱出するより全力を使った方が脱出の確率が高まると思っています。
2. 一本を取りたい(勝ちたい)
関節技・絞め技で一本を取ることはたとえ練習であってもとても気分が良いことです。
そのためパスガードしてサイドポジションなどを取った場合には全力で関節技や絞め技を極めにいきます。
しかもひとつの技を狙ったら一直線です。
そもそも前段階のパスガードが力任せです。
3. テクニックが少ない
仮に圧倒的な技術を持っていれば、余分な力を使うことはないでしょう。
しかしそうではない自分は技術に自信がないため、力を使わないとパスガードや一本を取る自信がありません。
力に頼るため技術の進歩も遅れるという悪循環に陥っています。
ネット上に参考になるサイトあり
ネットにはこの問題についての様々な情報がありましたが、なかなか良い対処方法は見つかりません。
そもそもガチスパーを肯定する意見もあります。
私が欲しいのは「具体的にどうすれば無駄な力を使わなくて済むのか」という情報です。
ネットを探しているとまさに私の悩みに答えてくれるブログがありました。
JiujitsuB
そこではガチスパーになる理由が2つあげられていました。
- 負けたくないから
ガチスパーの原因は負けたくないというメンタルの問題であり、スパーリングの勝ち負けにこだわっているから。 - 技術が無いから
技術が少ないからパワーを使ってしまう。
2つともまさに私です。
さらにそこにはガチスパーから脱出する具体的な方法が記載されていました。
- 相手の柔術着をつかまないでやってみる
「力が抜けない人ってどうしてもまずグリップに力が入ってしまうと思うんですよ。」とのこと。
つかまないでどうするかというと、ノーギ(裸で行う柔術)の技術を使います。 - 必要な場面にのみ力を使うようにする
「力の加減ができる人は力を抜くときは抜いて、入れるときは入れるという切り替えを必ずしています」というのは確かにそのとおりです。
1.に関しては是非やってみようと思います。
現在痛めている左手中指関節のためにも良さそうです。
2.に関しては言っていることはわかるのですが、私にはまだ難しいような気がします。
「それができれば苦労しない」のです。
1週間後追記
早速やってみました。

意識だけでは体のコントロールが難しいため料理用のミトンをはめてスパーリングしてみました。
左手でコムロックに行こうとして、はっと気がつきやめるなどということもあり、強く握ることを避けるための抑止力になっているようです。
指の痛みも回復に向かいそうです。
力をセーブする具体的方法
スパーリングの心構えと具体的対応方法を考えてみました。
格上帯に対して
紫帯以上に対して私が有利に戦いを進められることはまずありません。
攻撃に対する防御に徹することになります。
そこで必死の防御をすると余分な力を使うことになります。
防御の際は、これまで習った脱出方法を試みることに徹します。
それで脱出できない場合は諦めます。
サービスでポジションを取らせてくれた時にはありがたいと思い、力で極めにいかないよう心がけます。
同帯に対して
同じ青帯の場合、相手の方が技術が上のことが多いので、その場合は格上帯に対する場合と同じです。
もし1本取れると思っても無理をしないようにし、できれば別技に連携します。
また、なるべく息が荒れないように注意します。
格下帯に対して
絞め技や関節技がかかっても極めにいかず、別の技に連携することを基本とします。
絶対に息が切れないように気をつけます。
白帯なのに私よりも強いということはよくあることです。
白帯の人に一本取られるのは残念なことですが、やむを得ないと諦め、早く青帯になってもらうよう先生の判断を願います。
手加減してもらう
力の強い相手に対して力で対抗した場合、相手はさらに強い力で攻撃してきます。
力の強い相手にこそテクニックで対抗するよう努力します。
そうしているうちに張り合いがなくなった相手が手を抜いてくれることを待ちます。
「手加減してください」と言ってみてもいいかもしれません。
息を上げない
スパーリング中に余分な力が入っているかどうかは、どれだけ息が上がっているかである程度判断できます。
もちろん全く息が上がらないのは無理ですが、相手より息が上がらないように努めたいと思います。
特に格下帯相手に必死になって息を上げている姿はみっとも良いものではありません。
白帯から1本取られても良しとします。
動画撮影
自分のスパーリングを撮影して後で見直せば、自分がどれだけ恥ずかしいスパーリングをしているかわかるはずです。
力の使い方以外にも、技の妥当性や正確性をチェックできるでしょう。
自分のスパーリング中の動画を撮影したいという願望は以前からあるのですが、いつも言い出せずにいます。
快く撮影させていただくためには相手も同じ考えである必要があり、人間関係の構築も大切です。
是非とも近いうちにやってみたいとは思います。
終わりの無い旅へ
勝ちたい、負けたくないという気持ちを無くした上で具体的な努力を続けたいと思います。
この問題はおそらく完全に解決することは無いでしょう。
最終的な到達点は達人ということになるからです。
1日でも長く柔術を続けらるよう努力を続けたいと思います。