枝豆の茹で方新説

私は枝豆が大好きなので、初夏から夏の終わりにかけてよく枝豆を食べます。

ネット上で検索される枝豆の茹で方が、自分がやっている方法とだいぶ違うことに気付き、枝豆の茹で方を検証してみました。
自分がやっている方法は、あくまで自分が枝豆を美味しく食べるためなので、見た目よりも「美味しさ」を目指しています。

新説1 新鮮であることが大前提

枝豆は新鮮なものでないと、ちゃんと茹でても美味しくはなりません。

私の場合は直売所で買うことができるので、当日収穫したものを手に入れることができます。
しかし、家の近所の直売所は毎日営業しているわけではないので、スーパーで買うこともあります。
スーパーに並んでいる商品はいつ収穫したものかを知ることはできませんが、下記の基準で選んでいます。

  • 枝葉付きのもの
    葉が干からびていなければ当日収穫したものである可能性が高いです。
  • 色がきれいなもの
    時間の経過とともに色が悪くなったり茶色の斑点がでてきたりします。
  • 値下げされていないもの
    売れ残ったから値下げするわけです。

新説2 塩揉みの必要はあるのか

枝豆 ゆで方」でググったところ、検索結果1ページ目に表示される9件中9件とも塩揉みを奨励しています。
理由と合わせて列記しました。

  • 白ごはん.com 「うぶ毛除去、塩味の乗り」
  • アマノ食堂 「甘くプリプリに」
  • クックパッド 「色鮮やかに」
  • クラシル 「適度な塩味、綺麗な緑色に」
  • ナディア 「理由無し」
  • きょうの料理 「うぶ毛除去」
  • デリッシュキッチン 「うぶ毛除去、塩味増加」
  • やまでらくみこ 「食感増加」
  • marronrecipe 「塩味と旨味増加」

まとめると下記の通りです。

  • うぶ毛除去 3
  • 塩味増加 3
  • 甘み増加 1
  • 色鮮やか 2
  • 食感アップ 1

塩で揉む理由1 毛は取れるのか?

マクロレンズで撮影してみると、確かに毛が生えていることが確認できます。

枝豆の鞘のうぶ毛

1分ほど塩でもみ洗いしたものとそうでないものを比べてみました。
ゆでた直後のものです。

左:揉んだもの、右:揉んでいないもの

左が塩で揉んだものです。
確かに右と比べると毛が少なくなっていますが、完全に取れてはいません。
特に、へこんでいる部分に関してはあまり毛が取れていませんでした。

うぶ毛の多少による食感の違いは、私には感じられませんでした。

塩で揉む理由2 色が鮮やかになるのか?

左が塩で揉んだもの、右が揉んでいないものです。
さやも中身も差は認められませんでした。
中身の色が違って見えるのはライティングが左右で微妙に違うためです。

もっとも揉んだために色の違いが現れるとすれば、中身よりもさやではないかと推測されます。

塩で揉む理由3 味がよくなるのか?

食べ比べてみましたが、私には違いは感じられませんでした。

結論 塩揉みの必要なし

自分の場合は枝豆の外皮に毛が生えていたところで、全く問題になりません。
味さえよければそれで充分です。

店で商品として出す場合はやった方がいいかもしれませんが、自分で食べる場合は塩で揉む必要は無いでしょう。

また、私が茹でた枝豆に毛が生えていたからといって嫌がるような神経質な方とは、一緒に食事をしたくないものです。

新説3 後塩は必要なし

茹で上がったときは塩味を含めた味が足りないと感じますが、ゆでてから1時間くらいすると、不思議においしくなってきます。

ですから、茹であがり時に塩味が足りないからと言って塩を振りかけてしまうと、あとでしょっぱくなってしまいます。
それを予測した上であれば、好みで塩をふっても可だと思います。

新説4 両端切り落としは必要なし

  • 白ごはん.com 
  • アマノ食堂
  • クックパッド 
  • クラシル 
  • ナディア 
  • きょうの料理 
  • デリッシュキッチン 
  • やまでらくみこ 
  • marronrecipe 

枝豆 茹で方」による上位検索結果の9件すべてのレシピが、さやの両端切り落としを推奨していました。

さやの両端を切り落とす作業は非常に時間がかかりますが、それだけの効果があるとは思えません。
むしろさやを切ってしまうと茹で汁と豆本体が直接触れるので、味が流出してしまうはずです。

さやを切り落とす理由は塩がまわりやすくなるということですが、さやを切り落とさずとも茹であがり後1時間待てば、充分塩はまわります。

自分はさやを切り落とす手間よりも、茹であがり後1時間待つことを選びます。

新説5 塩は水の4%

4%の塩水というのは、10年くらい前にNHKの番組「ためしてガッテン」で紹介されて一挙に広まりました。

細かいことですが、塩分4%の塩水を作る場合ほとんどの方が1リットル(1000cc)の水であれば40gの塩を加えると思いますが、実はそれだと約3.8%の塩水になってしまうのです。

40 ÷ 1040 = 0.0384(3.84%)

正しく4%の塩水を作るとしたら960gの水に、40gの塩を溶かさなくてはなりません。
そこまで厳密な意味の4%ではないのかもしれませんが、正確を期すならばそういうことになります。

話がそれましたが、枝豆1袋を茹でるために必要な水はおよそ500gです。
鍋に20gの塩を入れ、そこに480gの水を加えます。

20gというと大さじ1とちょっとなので、さほど気にならないかもしれませんが、3袋茹でる場合には60gの塩が必要ということになります。

これだけの塩を投入することに対して抵抗がある方が多いようです。
つまり、ほとんどを捨てることになる塩を大量に使うのはもったいないということですね。

しかし、もったいなくても塩はちゃんと入れなくてはいけません。
高級な塩である必要はありません。
昔の専売公社で扱っていたような、一番安い塩でいいと思います。

枝豆を茹でる工程

豆を洗う

自分の場合はどうせ茹でるのだからということで、基本洗っていませんでしたが、茹で汁が泥で濁ったりするのもいやなので、最近は軽くゆすいでいます。
塩揉みはしません。

鍋に水を測り入れる

1袋の枝豆を茹でるのに必要な塩水の量は500ccほどです。
塩の重量分を差し引き、計量カップで480ccをきちんと計測します。
1000ccの場合は塩40g+水960cc、1500ccの場合は塩60g+水1440ccとなります。

塩を計測して投入

必要な塩の量は20gです。
キッチスケールで測るのが良いですが、無い場合は大さじ1杯すりきりが18gなので、20gの場合は大さじ1杯プラス少しということになります。

沸騰させたところに枝豆を投入

枝豆を投入したところで温度が下がるので、強火にしてフタをします。

鍋は文化鍋のような蓋の位置が淵よりも下にあるものだと吹きこぼれがしにくいのでおすすめです。
上の写真では20cmのものを使っていますが、1人用なら16cmのものでも大丈夫だと思います。

4分茹でる

沸騰した湯に枝豆を投入すると、いったん湯の温度が下がります。
湯の量と火の強さにもよりますが、再沸騰するまでには1分から1分半くらいかかります。
4分という時間は再沸騰するまでの時間も含みます。

茹でる時間は豆の大きさにもよると思いますが、最大4分とします。
自分の場合は沸騰したらフタを取り、1個でもさやの口が開いたら、時間にこだわらず火を止めてザルにあげています。

ザルにあげる

ザルに上げて水を切ります。
扇ぐ、冷蔵庫に入れる、水につけるなどの作業は行いません。

注意点としては、ここで味見をしても意味がありません。
茹であがり状態では塩味が薄く感じますが、時間の経過とともにちょうど良くなってきます。
茹であがり状態で塩をかけすぎてしまうと、食べ頃になった時にしょっぱすぎになりがちです。

1時間待つ

三たび、「枝豆 茹で方」の検索結果を見てみます。
茹で上がってからの手順についての記述をピックアップしました。

  • 白ごはん.com 「熱々を食卓に」
  • アマノ食堂 「ザルにあげて冷ます」
  • クックパッド 「扇いで冷ませば完成」
  • クラシル 「湯を切り、お皿に盛り付ければ完成」
  • ナディア 「扇風機やうちわ、ドライヤーの冷風で一気に冷ます」「味が足りなければ塩をふる」
  • きょうの料理 「広げて冷ます」
  • デリッシュキッチン 「粗熱をとり、冷蔵庫で冷まし」
  • やまでらくみこ 「ザルに広げ、粗熱を取る」「好みで塩」
  • marronrecipe 「さや切りをしない場合は1時間冷ます」

ほとんどのレシピで冷ますことを必要としていますが、茹でてからの時間について言及しているのは1レシピ(marronrecipe)のみでした。
茹でてすぐに食べるとしているレシピが2つありますが、私に言わせていただけるならば問題外です。

繰り返しになりますが、1時間くらい経過すると塩が染みこみ、味がよくなります。
「煮物は冷める時に味が染み込む」と言いますが、枝豆も煮物ではあるため同様の現象が起こるのではないかと思います。

食べる1時間くらい前に茹でるのがよいかと思います。

おわりに

上位検索レシピの内容とだいぶ違いますが、数百回やってみて今のところ良いと思っている私のやり方です。
自分のやり方が絶対正しいとは思いません。
これを読んだ方は実際に試してみることをおすすめします。

繰り返しになりますが、美味しい枝豆を食べる前提として新鮮なものを選ぶことが重要です。

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