中古マンション購入と内装リフォーム
男独りで一軒家に
元妻と息子が出ていき、母が亡くなり独りになっても、しばらくは相模原市の一軒家に住んでいました。
会社は目黒区なので、ドアツードアで1時間20分くらいの通勤時間でした。
相模原市の不動産相場は都内と比べると半額くらいなので、家の広さを確保するため長時間の通勤を我慢していたのですが、その必要はもうありませんでした。
中古で買った一戸建は、築45年ほどになっていました。
断熱の機能はほとんどなく、冬は室内に氷が張り、夏は40度以上になるという厳しい環境でした。
庭の手入れが出来なくなり、雑草がはびこり荒れていきました。
今後は建物の維持修繕費用も増大していくことが予想されました。
マンションへの引越しを決意
「そうだ、引っ越そう。」
戸建てから分譲マンションへの買い替えを思いつくまでに1年かかりました。
買い替え方法は、下記の4通りが考えられました。
- マンションを現金で買ってから戸建てを売る
- マンションをダブルローンで買ってから戸建てを売ってマンションのローンを払う
- マンションを買い替えローンで買ってから戸建てを売ってマンションのローンを払う
- 賃貸に引っ越してから戸建てを売って、売れた金でマンションを買う
1.が出来れば良いのですが、戸建てのローンを払っているくらいなので、その財力はありませんでした。
2. と3. の違いですが、買い替えローンには後述するデメリットがあるので、可能であれば2. のダブルローンのほうがいいと考えていました。
ダブルローンを組めない場合には3. と4. が選択肢になりますが、4. を選ぶべきです。
3. の買い替えローンは、売却決定後に購入マンションを探す期間に制限があるので、価格が高くても買わなくてはならないといったことになりかねません。
さらにローンの金利が通常の住宅ローンよりも高い点も見逃せません。
4 .は一見賃料が無駄になるように思えますが、購入物件をゆっくり探すことができます。
また賃料は購入金額に比べて小さいので長い目で見ると得になる可能性が高いのです。
銀行に相談するとローン残が少なかったこともありダブルローンが可能とのことだったので、2. のダブルローンを選択しました。
戸建売却後に賃貸に住み替える選択肢もありました。
いわゆる賃貸か持ち家かというたびたび議論される問題です。
論点は2つあります。
- 賃貸と持ち家のどちらの総コストが大きいか?
持ち家の今後のコストは、購入金額+ローン残+管理費+修繕積立金+固定資産税です。
購入後、ローンの支払いが終われば、ランニングコストは賃料の数分の1になるので楽になります。
同程度のマンションを借りた場合の賃料合計が持ち家の今後のコストを上回るのは15〜20年後と予想できました。 - 転勤があるか?
持ち家から通勤出来ないような場所に転勤になった場合、売却か他人への賃借を考えなくてはならなくなります。
その場合購入した意味が無くなってしまいます。
家を購入すると地方転勤になるというのはよくある話ですが、自分の場合は地方転勤の可能性はありませんでした。
当時53歳だった自分は、あと20年生きる可能性は充分すぎるほどあると考えられました。
いわゆる長生きリスクは考慮せざるを得ません。
年金生活になった場合に住居コストが抑えられるのは、非常に助かるはずです。
逆に言えば、年金生活になってから家賃を払うのは大変です。
ということで賃貸ではなく持ち家(マンション含む)にすることにしました。
どこに引っ越すべきか
定年までにはまだ5〜10年あるので会社から近いほうがいいのですが、都内は高いので、会社まで乗り換えなしで行くことができ、価格が都内と比べて7~8割となる横浜市港北区あたりの東横線沿線に絞って探しました。
具体的には、新丸子駅〜大倉山駅になります。
マンションの築年数
築年数はマンションの金額を決める大きな要素です。
元不動産業者であった自分の経験上、他の条件が同じならば、築年数と価格の関係はこんな感じになります。
縦軸は新築を100とした場合の単価の割合です。
(たとえば新築時坪単価400万円の場合、築14年で約200万円(50%)に減額します。)
築30年以上になっても、それ以上はあまり下がリません。
リノベーションを行っている場合は築年数にあまり変わらず赤のラインとなります。
(注)これは将来の予測ではなく現在の各築年数のマンションの価格を表したものです。
築20年までは大きなリフォームをせずに使うことができますが、築25年を過ぎると水回り等の交換が必要となってくる可能性が高いので、近い将来にリフォームの必要が発生します。
住んでからのリフォームは大変なので、購入と同時にリフォームした方が、労力的にも金銭的にも有利です。
築年数に関して注意が必要なことに耐震基準の問題があります。
詳細は省きますが、1982年以前に建築された建物は現在の耐震基準を満たしていない可能性が高いので、1983年以降のものに限って探しました。
マンション業者が購入・リフォームして再販されているものは、購入の際のコスト・利益が含まれている分価格が高くなるため、内装が古いままの状態で購入し自分でリフォームがしたいと考えていました。
しかし築25年以上のマンションだと、マンション業者が購入しリフォームされたものがほとんどでした。
自分でリフォームをしたいくても、内装が古いままのマンションは非常に少なく、探すことは困難でした。
やっと見つけた条件に合致するマンションは1500万円台後半でした。
同様の広さと築年数でフルリフォーム済みのものは2200~2300万円でしたので、リフォーム金額を500万円としてもかなり得になる計算になります。
マンション業者が買い取れる金額は1200~1300万円と思われたので、それよりも高い金額でないと交渉は成立しません。
価格交渉し100万円下げたもらったところで妥協して購入しました。
内装工事を依頼
内装工事の見積もりは366万円でした。
上記に加え、
リビングのフローリングを交換すればプラス数10万、
建具(室内の間仕切りドア)を全交換すればプラス数10万、
室内の給排水管を交換すればプラス30万、
スケルトン工事(内装を全て壊して再構築)ならば、プラス100万円以上かかったはずです。
結局見積り通りに工事をしてもらいました。
感想と反省点
内装工事に関しての感想は以下の通りです。
- 概ね満足(75点)
- フローリングは全交換した方がよかった(後悔)
- 建具(室内の扉)を交換すればイメージを一新できた(納得の上)
- 風呂の沸し直しを付けなかったのは正解(1人暮らしなので)
その他の感想
- 防音性が高い(特に左右と下からの音はほとんど聞こえない)
- 温度変化が少ない(年間通して15〜32度の範囲内)
- フローリングや壁にネジを打ち込むなど、内装を自由にいじれるのはいい
といったいったところでしょうか。
今後の住居コスト
今後の住居コストは、管理費等:約27万円/年、固定資産税等:約70000円を合わせて34万円を月で割った約28000円/月になります。
同様の物件を賃借した場合は、3~4倍になるでしょう。
日当たりが良く面積も充分なので気に入っていますが、ペット飼育不可なのでいつか猫が飼えるところに住んでみたいという希望はあります。