マタタビの季節がやってくる

遥かなるマタタビの記憶

子供の頃、叔母が作ったマタタビ酒を飲んだ時の衝撃が忘れられない。
薬臭いだけではない、神々しい香と味がした記憶が残っている。

中学の時偶然山でマタタビの木を見つけかなりの量の実を家に持ち帰ったところ、母親が実を全部半分に切ってしまい、漬けてはみたが残念ながら叔母が作ったものと同じ味にはならなかった。

その後、酒を漬けられるほどの実を採ることはなく、ずっと心に引っかかっていた。

マタタビ酒を漬けようと思い立つ

またたびは相当山奥に行かないと自生していない。
関東であれば、奥多摩か丹沢くらいまでは行かなければならないだろう。

数年前にたまたま行った都民の森でマタタビの小木を見つけたことをきっかけに、自分で採ったマタタビでマタタビ酒を作ってみようと思い立った。

マタタビを見つける方法

マタタビは夏に実をつけるのだが、その時期に山に行っても見つけることは困難だ。

秋にに落葉し、春に新芽が出て、梅雨の頃にだけ一部の葉が白くなる時期がある。
その時にならないと見つけることはほぼできない。
逆にいうと、梅雨の頃であればマタタビの木を容易に見つけることができる。

上の写真で葉が白く見えているのは、ハイライトで色が飛んでいるのではなく、実際に白くなっているのだ。
場所を覚えておいて夏に行けば、実を採ることができる。

マタタビの実には2種類あり

右が普通の実で、左は虫こぶと言われているものだ。
どちらも元は同じものだが、虫こぶの方は昆虫が産卵したことにより変形している。
虫癭果(ちゅうえいか)との名があり、保温や強壮の薬効があるといわれている。

ついにマタタビの実を取得

お盆休みに行ったがマタタビを狙う人間は自分以外にもにもいるようで、見つけていたポイントでは多くのマタタビが既に採られてしまっていた。

少量しか採れなかったが、マタタビ酒を漬けることができた。
酒は家にあったキンミヤ焼酎(25度)を使用し、氷砂糖をマタタビの半分くらい加えた。

1対2くらいで通常の実よりも虫こぶの方が多い。

2年10ヶ月後の状態がこちら。

熟成が進み、きれいな琥珀色になっている。

マタタビ酒を飲んでみて

香りは良さげだが、飲んでみるとかなり苦味が強い。
残念ながら、昔飲んだ叔母のものとは違っていた。

今度は虫こぶではない方の実だけで漬けてみたい。

マタタビのもうひとつの効用は猫の”媚薬”

マタタビの他に類を見ない特徴は、猫に好まれることだ。
単に好みというだけではなく、猫を異常な状態にする麻薬的な効用があるようだ。
麻薬とは違うところは、猫からマタタビを取りあげても特に執着したり怒ったりすることがないところだ。
ちなみに実だけではなく葉や枝でも猫は反応する。

猫科の生物の特徴であるらしく、以前に動物園の虎の檻に投げ入れてみたことがあるが、猫と同じような反応をしたことには驚いた。

山奥でないと木が育たないというのも、市街地が近いと猫がかじってしまうからなのだろうか。

生息分布が日本以外では朝鮮半島と千島列島だけとのことなので、欧米とかに持っていけば一儲けできるかもしれない。

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マタタビの季節がやってくる” に対して2件のコメントがあります。

  1. カルロス より:

    マタタビですか!正直、近所の野良猫を手懐ける用途しか思い浮かばなかったねー。w
    子供の頃、飲んだ….ってか、呑んじゃダメだろうがあ。w
    美味しくできたマタタビ正宗?でも、試飲させてちょ。w

  2. olivegarlic より:

    こりゃ体にはいいだろうっていうすごい味だよ。
    ぜひ試飲してくれ^^)

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